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November 01, 2007

安山館

 北朝鮮のレストラン「安山館(安山閣、鞍山館、鞍山閣とも言われる)」は、1982年ごろ金正日が建設を命じたものである。金正日は、父親が建設した外国人向け高級レストラン「玉流館(平壌冷麺で有名)」にならって、自分もそうした接待所を作ろうとしたとされる。
 客層は、日本人ビジネスマン、ロシア人や中東諸国のビジネスマンだったという。中には韓国からのビジネスマンも来ていたという。内部の写真を見ると、普通のレストランであり、クラブである。現在でも、日本人観光客が訪れている施設である。
 その安山館を作り、運営を任されていたのが「日隆商事」であり、その社長(故人)が人を集め、日本から料理人(かの藤本氏)や、クラブのママさん、あるいは日本人ホステスもその仕事に携わっていたのであった。彼らは、合法的に日本から渡り、そして無事日本に戻っているので、それ自体は全く問題がない話である(藤本氏のケースは微妙だが、詳細は藤本氏の著書を参照されたい)。
 ところが、問題は、その日隆商事の合法的ビジネスを利用した北朝鮮の犯罪行為である。日隆商事の社長は、元社員の方の話によれば、豪放磊落な方であり、北朝鮮の発展のためにと、私財を投げ出してのビジネスだったという。その社長の誠意を無にするように、北朝鮮から招いた訪日団の中に、工作員金セホを紛れ込ませ、日本人拉致を実行していったのであった。元社員の方の話によれば、金セホは、帝国ホテルに泊まり、いつもどこか日本の地方に出張していたという。そして、会えば「疲れた。疲れた」と言っていたという。
 そして、一方で安山館のクラブで働くタイ人ホステスを獲得するために、工作員をタイに派遣させ、「日本に仕事がある」と騙して連れて行ったのであった。何も騙して連れて行く必要などないのに、よほど「小林」「山田」という北朝鮮工作員はあせっていたのであろう。安山館の建物はできたものの、その中で働くホステスが確保できないとなれば、金正日の命令で建設された施設だけに、「命がけ」の仕事をしたのだろう。
 ただ、これまた頭がおかしくなる話であるが、「山田」という人物は、あるタイ人女性とねんごろになり、ほとんど内縁関係ともいえるぐらいまで関係が深くなった。「山田」はその女性と北朝鮮で同棲をしていたのである。まぁ、それは個人的な問題だからどうということはないが、問題はその後である。タイ人女性がタイに帰国するあたり、「山田」は、そのタイ人女性を捨てたのだった。
 そのタイ人女性のその後の人生は奈落の底であった。今では、バンコック市内の公園のそばで寝泊りしているホームレスである。アルコール中毒になり、私が面会をしたときも「金をくれ」だった。「山田のことを覚えていますか」と聞くと、「日本で一緒に働いた人だ」と言うだけである。目は虚ろで、周囲に悪臭を放っている。唯一の友は、一緒に寝ている野良犬であろうか。「山田」という人物は、生きていれば70歳ぐらいだろう。せめて、彼女の生活保護程度の資金ぐらいを提供し、アルコール中毒を治療してあげるべきものであろうが。実に哀れなものである。
 さて、安山館を巡っては、こうした人情話ではすまない問題へと発展していくのである。それは、日隆商事をはじめとする日朝貿易をしていた数々の貿易商社が絡んでいくからである。そして、過去のユニバース・トレーディング事件、福留貴美子事件、そして、よど号犯などによる拉致事件へと人的に複雑につながっていくのである。
 今回、その複雑な関係性の中に、「木村かほるさん」が現れてきたのであった。このタイ人の女性たちの証言は、単純に騙されて北朝鮮に行って、日本人を見た、そして帰ってきた、というだけで終わらしてはならない問題なのである。

注:この記事で、タイ人女性とねんごろになった人物について、「小林」と「山田」の記述が、逆になっておりましたので、修正を致しました。あしからず、ご了承下さい。(2007.11.1)

 
 

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