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April 30, 2008

中国人留学生「ウソをつくな」

 本日のヘラルド・トリビューンの一面トップ記事は、米国での南カリフォルニア大学で開催されたチベット問題の討論会の様子。その会にはチベット僧が参加して、学生からの質問に答えるというもの。その中で、ある中国人留学生が「ウソをつくな」と言って、ペット・ボトルをチベット僧に投げつけ、警備員に退去させられた。記事ではその様子を「バイアスによって束縛されている中国人留学生の興奮」というような趣旨で紹介している。
 国際社会では当然のように語られている中国によるチベットへの侵略と弾圧の歴史は、中国人学生に全て「ウソ」のバイアスがかけられている。中国国内での歴史教育がいかに歪曲され、中国共産党の都合の良いよう記述され、現代の若者に刷り込まれているかがよくわかる。
 国家権力側が自己の権力維持の為に採用するこうした歴史の歪曲や刷り込みが、結局は自分たちの権力基盤を溶融させていくことになる。「ウソ」はいくら言っても「ウソ」であり、「ウソ」によってはその基盤は強くはならないからである。
 現代中国の若者たちに火がついた「愛国主義」を、中国共産党が最もうまく利用しているが、最も警戒しているといわれる。「ウソ」で固めた中国共産党の歴史そのものが、いずれは彼らの矢面となるからである。
 同紙の別の記事では、台湾に訪れる中国本土の観光客を、この意味で台湾人が「歓迎」しているという。それも、前の記事と同じ文脈である。台湾に訪れる中国人が、自由に観光を楽しんでいるうちに、台湾総統選挙の経過を知り「台湾人はどうして国家主席を選ぶ権利があるのに、中国人にはそれがないのか」と気づくからだという。
 このように海外で自由に勉強している中国人学生や観光客は、いずれ中国国内の矛盾に気づくはずである。それが、中国共産党の政権基盤を揺るがすことになる。早いところ、中国共産党もロシア共産党のように転換し、政権政党の一つとして生き残っていくほうが身のためである。そのためには「真実」を語ることである。