四人の「拉致被害者」の報道
本日発売の「週刊文春」に、巷間噂されている、北朝鮮が帰国の準備をしている四人の拉致被害者の実名が報道されている。報道では「噂」という書き方をしている。その四人とは、松本京子さん、古川了子さん、遠山文子さん、そして大屋敷正行さんとのことである。
こうした「噂」は、この度の日朝実務者協議の前から、マスコミの間で飛び交っていたものであった。それらの「噂」には、この四人の方々以外にも名前が挙がっている。
この「噂」の信憑性は、確かめようがない。米国からもともともたらされてきた「噂」であるし、それに関係者が複雑に入り組んでいるために、「噂」の発信源が「私が話したものです」と公言しない限り、わからない。
問題の焦点は、この「噂」の信憑性を確かめることよりも、「噂」が流れてくる背景を知ることにある。「噂」を流した人物の意図である。拉致問題の解決を促進しようとして流したのか、あるいは世論の撹乱を狙ったものなのかのどちらかである。おそらく前者であろう。
ところが、ややこしいことに前者であれば問題がないわけではない。仮に前者の場合であれば、二通りに作用が働くからである。
一つは、たとえ数人であっても、私たちが期待する拉致被害者の具体的な帰国につながること。もう一つは、この数人の拉致被害者の帰国で、事実上の「幕引き」をもたらしかねないことである。この場合の前者であれば、大歓迎だが、後者の場合はノー・サンキューである。
いずれにせよ、最悪の「幕引き」にならないように、この動きを厳しく監視していくことが必要だろう。米国や日本に「拉致問題の幕引きと日朝国交正常化路線」を求める政治勢力が、厳然と存在するのであるから。
