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2 posts from July 2008

July 05, 2008

映画「クロッシング」

 映画「Crossing」の特別上映会が、7月4日(金)六本木ヒルズのTOHOシネマズで行われた。レセプションにはキム・テギュン監督ご自身が参加された。映画のあらすじは以下のようなもの。

 「2002年、脱北者25人が中国当局の警備をかい潜り、韓国へと渡った事件をモチーフにしており、実話に基づく作品。家族の薬と食糧を求めるために北朝鮮を去 った父と、父を探しに出た11歳の息子の切ないすれ違いを描いている」

 いただいた案内には映画について、下記のような紹介があった。

 「脱北者問題を取り扱った映画であるため、ロケは中国、モンゴル、韓国にて秘密裏に 行われた。主演:チャ・インピョ。韓国俳優チャ・インピョは94年ドラマ『愛を君の胸の中に』で“チャ・インピョシンドローム”を巻き起こして国民的スターとなったが、アメリカ永住権を放棄し、兵役のためファンに惜しまれながらも入隊した。しかし除 隊後も彼の人気は衰えることはなく、韓国のみならず台湾などのアジア各国で評価は高 い。日本ではドラマ『星に願いを』の放映によって多くのファンが彼の演技に魅了され た。アメリカの大学を卒業し、現地での勤務経験もあるという英語が堪能な知性派俳優 でもある。監督:キム・テギュン。映画アカデミー4期生「パク・ポンゴン家出事件」でデビュー後、チェ・ジウとアン ・ジェウクを主人公にした「ファースト・キス」(1998)を発表。その後の主な作品に は「火山高」(2001)、「オオカミの誘惑」(2004)、ラブコメディ「ミリオネアの初 恋」(2006)。」

 ここでこの映画の評論をしてもしかたないが、ともあれ、北朝鮮問題に関心がある方は必見であり、「素晴らしい!!」とだけコメントしておきたい。映画としてのストーリーの簡潔さ、映像の質の高さ、題材としての問題の深刻さと、そして親子の愛情をモチーフにしたところなど、全てに感動である。
 日本では拉致問題への関心はメチャクチャ高いが、脱北者問題となると「フーン」てな感じで終わる。この非対称性は、実は拉致問題を解決する上でも障害にもなる。なぜなら、ともに金正日独裁体制による犯罪の所産なのだから、片方だけが解決すればそれで済む、という問題ではないからである。拉致問題の映画『Abduction』と、脱北者問題の『クロッシング』の両方がそろったことは誠に喜ばしい。

 ついでに、私が映画を観てホンマに涙したのはこれまで三本だけ。一本目はもう名前も忘れたけれども、40年ぐらい前に見た日本の戦争映画だった。子どもを爆撃で亡くした母親が探し回る姿がラスト・シーンだった。二本目は『ホタルの墓』。これはその名前を書いただけで目がウルウルで私はダメになる。三本目が『クロッシング』。


July 01, 2008

「千日手」の対北朝鮮政策

 将棋をされる方はよくご存知のことである。「千日手」とは、「相手が出れば自分も出て、相手が引っ込めば自分も引っ込む」という差し手を互いに繰り返すことである。「千日も続く手」ということから「千日手」と呼ばれる。互いに勝ちもなければ負けもないが、痺れを切らしてヘタな手を打った方が不利になる。
 日朝協議で、日本政府は「行動対行動」つまり、「相手が出れば、こちらも出る。相手が引っ込めば、こちらも引っ込む」ということを戦術としているのだから、文字通りの絵に描いたような「千日手」である。どちらも勝たないし、どちらも負けない。だが、日本側は痺れを切らしているから「ヘタな手」を打った。それが、一部制裁解除での「過剰」サービスである。米朝の間も同じこと。その結果、北朝鮮側はまた優位な立場にたった。だから、六カ国協議の開催にぐずり、時間稼ぎをして、相手が痺れを切らしてまた「ヘタな手」を打ってくることを待っているということだ。
 この「千日手」から抜け出す方法論は状況に応じていくつかある。基本は「行動対行動」の戦術の転換である。もちろん、将棋のように相手の出方を観ながら、戦略・戦術を組み立てていくのだが、要は「千日手」を回避していくだけの戦局を読む眼力を持っているか持っていないかである。持っていなければ「千日手」を続けるしか方法はない。今の日本政府の対北朝鮮戦略は、「千日手」を続けることだけのようである。

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