映画「クロッシング」
映画「Crossing」の特別上映会が、7月4日(金)六本木ヒルズのTOHOシネマズで行われた。レセプションにはキム・テギュン監督ご自身が参加された。映画のあらすじは以下のようなもの。
「2002年、脱北者25人が中国当局の警備をかい潜り、韓国へと渡った事件をモチーフにしており、実話に基づく作品。家族の薬と食糧を求めるために北朝鮮を去 った父と、父を探しに出た11歳の息子の切ないすれ違いを描いている」
いただいた案内には映画について、下記のような紹介があった。
「脱北者問題を取り扱った映画であるため、ロケは中国、モンゴル、韓国にて秘密裏に 行われた。主演:チャ・インピョ。韓国俳優チャ・インピョは94年ドラマ『愛を君の胸の中に』で“チャ・インピョシンドローム”を巻き起こして国民的スターとなったが、アメリカ永住権を放棄し、兵役のためファンに惜しまれながらも入隊した。しかし除 隊後も彼の人気は衰えることはなく、韓国のみならず台湾などのアジア各国で評価は高 い。日本ではドラマ『星に願いを』の放映によって多くのファンが彼の演技に魅了され た。アメリカの大学を卒業し、現地での勤務経験もあるという英語が堪能な知性派俳優 でもある。監督:キム・テギュン。映画アカデミー4期生「パク・ポンゴン家出事件」でデビュー後、チェ・ジウとアン ・ジェウクを主人公にした「ファースト・キス」(1998)を発表。その後の主な作品に は「火山高」(2001)、「オオカミの誘惑」(2004)、ラブコメディ「ミリオネアの初 恋」(2006)。」
ここでこの映画の評論をしてもしかたないが、ともあれ、北朝鮮問題に関心がある方は必見であり、「素晴らしい!!」とだけコメントしておきたい。映画としてのストーリーの簡潔さ、映像の質の高さ、題材としての問題の深刻さと、そして親子の愛情をモチーフにしたところなど、全てに感動である。
日本では拉致問題への関心はメチャクチャ高いが、脱北者問題となると「フーン」てな感じで終わる。この非対称性は、実は拉致問題を解決する上でも障害にもなる。なぜなら、ともに金正日独裁体制による犯罪の所産なのだから、片方だけが解決すればそれで済む、という問題ではないからである。拉致問題の映画『Abduction』と、脱北者問題の『クロッシング』の両方がそろったことは誠に喜ばしい。
ついでに、私が映画を観てホンマに涙したのはこれまで三本だけ。一本目はもう名前も忘れたけれども、40年ぐらい前に見た日本の戦争映画だった。子どもを爆撃で亡くした母親が探し回る姿がラスト・シーンだった。二本目は『ホタルの墓』。これはその名前を書いただけで目がウルウルで私はダメになる。三本目が『クロッシング』。
