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3 posts from August 2011

August 15, 2011

NHKスペシャル「圓の戦争」を観た

 NHKスペシャル「圓の戦争」を観た。
 素晴らしい内容だった。
 財政的にどう考えても無謀な戦争を遂行していく上で不可欠な「軍資金」が、銀行相互の「預け合い」という錬金術から生まれていたということを丹念に裏付けたものだった。
 「預け合い」は、国債の日銀引き受けといった政策にもつながるものだが、金融・財政政策での禁じ手の一つである。要するに錬金術の一つであり、実態を伴わない取引である。
 大陸に 「王道楽土」の建設を夢想し、さらに「大東亜共栄圏」を建設するという誇大妄想的な外交政策が、実はこうした錬金術で賄われて、果ては太平洋戦争に突っ込んでいくことになったというわけである。
 夢を観るのは結構だが、あまりにも誇大妄想的なものは避けるべきだし、その夢を実現させるための資金の手当てがないまま、「カネは後から貨車でやってくる」という安易な発想から走り出しては、いずれ破綻するのは当たり前と心得ることが大切なのである。


ツリー・オブ・ライフを観たが・・・

 ブラピの制作・主演ということで、避暑ついでに映画館に出かけた。
 下記のようなうたい文句にひかれて、期待していったのだが・・・。
 一言で言うと「疲れた・・・」。
 映像は美しいし、主題も観終わればはっきり分かってくるのだが、途中ではいささかうんざりしてきた。
 親子の葛藤という小さいけれども永遠のテーマを、神の創造による生と死という壮大なテーマに重ね合わせた哲学と宗教による「お説教」という印象。「我欲に生きるな。神とともに生きろ」ということなのだろうか・・・。
 しかし、「美しすぎる映像」が、途中にわけもわからず挿入されてくる。
 映像が美しすぎて、逆に、恐竜が現れた来たところには、アゲ・・・。
 音楽も、仰々しいクラシック音楽を多用させて盛り上げるのだが、これもいささかうんざりしてくる。
 ブラームスの交響曲4番を使ったところは、とても良かったが・・・。
 スメタナのモルダウを挿入してきたところは、逆にゲンナリ。
 ストーリーの細部について、説明を抜きにして観客に考えさせるという手法は、どこかの偉い大学の先生と同じような手法で、だんだん腹が立ってくる。「わからないから金を出して勉強に来ているのだから、ちゃんと教えろ!」と言いたくなる。
 ともあれ、ハリー・ポッターを観ればよかったという印象を残させつつも、今頃になってこうして感想を書きたくなるのであるから、たいした映画だと思う次第。

 下記は「ツリー・オブ・ライフ」の概説を引用させてもらった。

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『シン・レッド・ライン』テレンス・マリック監督が、ブラッド・ピットとショーン・ペンというハリウッドの2大スターを迎えた壮大な家族物語。1950年代のテキサスを舞台に、ある一家の40年にわたる日々を描きながら、人生の根源的な意味を問い掛ける。本作で製作も務めるブラッド・ピットが厳格な父親を熱演し、その成人した息子をショーン・ペンが好演する。何げない日常の風景を鮮烈に映し出すマリック監督の映像美に酔う。

ストーリー:1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……。

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August 11, 2011

プロクルステスのベッド

 マックス・ヴェーバに関する書籍を読んでいたら「プロクルステスのベッド」という故事について、ヴェーバーが多用していたという記述に出会った。
 この「プロクルステスのベッド」の故事とは、古代ローマの伝説的強盗で、人をさらってきては、ベッドに縛りつけ、はみ出した手足を切り取って殺害した、というものである。
 これが転じて、事実を無理矢理に自分の図式に当てはめること、すなわち「こじつけ」というものになった。この故事から得た科学者ヴェーバーの教訓は、様々な歴史的事実への認識について、自己の都合のよいようにだけ当てはめることを慎むということである。
現在のマスコミ報道や政治家たちの言説をこの視点から眺めると、実に多くの言説が「プロクルステスのベッド」を実践しているように見える。マスコミや政治家のみならず、私の職業である学者においても同様かもしれない。自説に拘るがあまり、事実を捻じ曲げて解説していてもおかまいなしということである。
 私自身の教訓として、このベッドに縛り付けられないようにしないといけないと思う。


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