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April 05, 2013

犯罪収益移転防止法の改正の不快

 犯罪収益移転防止法が改正されて、平成25年4月1日から施行された。 取引時の確認事項が増え、特定事業者が新たに追加され、ハイリスクの取引時の確認に注意が必要というのが、警察庁や金融庁のお達しである。
 この法律の趣旨であるテロ資金流用の防止、そして「なりすまし」やら「オレオレ詐欺」などの犯罪に金融機関が警戒をすることは大いに賛成する。
 しかし、物事には「過ぎたるは及ばざるが如し」とか「羹に懲りて膾を吹く」という言葉があるように、金融機関の窓口では、あまりにもやりすぎである。
 というのも、今日、子どもの大学の学費を振り込むために、某銀行の窓口を訪れた。窓口の素敵なお嬢さんから、次のように言われた。
 「法律が改正されて、お客様の本人確認をさせていただきます」
 ふむふむ。それは結構です・・・。
 「お客様は、娘さんの父親ですか」
 当たり前だろ。誰が娘の学費を父親の替わりに払うんだ!
 「娘さんには銀行口座はありますか」
 そんなの知るか!
「この書類に必要事項をお書きください」
 なにを書くの?
「お客様の氏名、生年月日、住所、職業そして払い込みの目的、さらにお客様の職業です」
 ふざけんな! なんで、学費を振り込むのにそんなものを書かなくてはならないんだ!!
「それに、お客様の銀行口座は何を目的に作られていますか?」
なんなんだそれは!!!!
誰がそんなことを指示している??
「法律の改正でそのように指導されています」

 ということで、窓口のお嬢さんに文句を言っても仕方がないので、さっそく金融庁に確認の電話。
 担当の職員の弁では
 「法律の趣旨をご理解ください」
 はいはい。十分に理解しています。
 で、大学の学費を振り込むのに、そんなことまでさせるように指導しているの?
「金融庁ではそこまでは指導していません」
 金融庁では同法にそって、疑わしい取引というものが示されているけれど、学費の納入と言うのはそれに該当するの?
「まったく該当しません」

 ということで、銀行協会が法律の趣旨に従って、独自のガイドライン・フォーマットを設定して、各銀行にまったくつまらない指導を行ったというわけである。
 ということで、さっそく、某国会議員に改善を求める抗議の電話。

 こんなことでは、自由な商取引を規制するに等しい。もちろん、不正な取引を防止することは必要だが、明々白々なる正当な商取引まで規制をかけることになる。それに、銀行窓口での職員の負担の増加、利用客の精神的ストレスの増加をもたらしてしまう。まったく無駄なものである。

 似たような話が、個人情報保護法でもある。法律の施行にともなって、何が起こったか。
 不動産取引協会が独自のガイドラインを作り、全国のアパートやマンションの個人の表札を撤去してしまったのである。プライバシーの侵害を未然に防止するというのである。
 個人の表札までプライバシーの侵害にあたるとは到底法律の適用外なのに、客とのトラブルを回避するために、すべて撤去してしまった方が無難と言うわけである。その結果は、隣同志でも名前も知らないし、誰だかわからない寒々とした地域社会を作ってしまうのである。

 徳川家康公の家訓に、「過ぎたるは及ばざるがごとし。及ばざるは、過ぎたるに勝る」という趣旨の言葉がある。
 このやりすぎの窓口指導は即刻やめにするべきであろう。


 



 

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