やたら国民を管理強化するタイ軍政
タイが軍政になって、やたら国民を管理統制したがっているようである。これまでも何度か軍によるクーデターがあり、そのたびに軍政になっていたが、国民を縛ることはあまり強くなかった。タイ軍政の独特のものだった。ところが、今回の軍政はこれまでとは違って、やたら規制を厳しくしている。
例をあげると、
・「仏陀感謝の日」に禁酒とすることを法律で定めた。全国的な禁酒の強制である。ホテル、レストランやバーといったところはもとより、コンビニでの酒の販売も禁止した。これまでも、禁酒の日にはレストランが自主的に禁酒にしていたが、それはタイの宗教的慣習だった。だから、外国人が多い店などでは、酒を飲ませてくれていたが、今回からは全面的に禁酒。バーは仕方なく臨時休業を余儀なくされていた。
・全国的な禁煙。ホテルやレストランでも、室内では全面禁煙。これで喜んでいる嫌煙家も多いだろうが、愛煙家にとっては地獄である。
・飲酒運転の厳罰化。これは歓迎すべきことだろうが、措置がすごい。取締りでつかまると、そのまま留置所に一泊。高額の保釈金を支払い仮出所。その後で、裁判所に出廷して、罰金の支払いとなる。外国人もまったく同様の措置。
・外国人の携帯電話SIMカードの登録制の導入。SIMカードを買っても、登録しなくては、受信できても、発信できない。これは私も困った。何度かけてもつながらないので、電話機が壊れたと思っていたが、実は登録をしなくてはならないという法律ができだばかりだということが判明。ただし、不思議なことに、タイ国内には発信できないが、海外には発信できた。変な話である。
・タイとミャンマーとの国境の規制。国境沿いに住む地元の人たちは、正規の出入国管理もなくタイとミャンマーの間を日常的に往復しているが、それも場所によって規制を強化。規制された場所では、地元の人も逮捕されるという。
良いような悪いような規制の強化だが、基本的にはあまり嬉しくない。軍政の方が治安が良くなるから歓迎する、という声を聞かないわけではない。だが、軍政というのはやはり国民への管理監督を強化をすることが好きな体制なのであるということを改めて感じた次第である。