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March 23, 2021

ミャンマー クーデターの原因はクロニーにある?

眞鍋貞樹著「ミャンマーの民主化と連邦制──統合と自治のディレンマ──

『政治行政研究』拓殖大学政治行政研究所、20182月発行より抜粋

*以下は、2018年発行の拙著からの抜粋です。執筆当時に懸念していたことが、現実になってしまいました。

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つきまとう国軍によるクーデターの可能性

 2015 8 13 日には,USDP Shwe Mann 党首が,突如党本部において軍隊に包囲され,解任を 迫られるという党内闘争が起こった。こうした密室における非民主的な解任劇は,ミャンマーが軍政か ら民政に移管されたと言っても,それは表面的にしか過ぎないことの証明であった。しかも,国軍との関係性が強い政治勢力は,いつでも与党であろうが政治家を解任できることを暗に示した事件とも言える。

 その解任劇の後,ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官は,2015 11 月の総 選挙の結果を受け入れると表明した。総選挙後も,国軍側からは新政府の方針に従うとの声明を出 し続けていた。しかし,今後ともその言葉が守られるとの保証は何もない。憲法の規定で,国軍には連 邦議会の4分の1の議席が割り当てられ,しかも憲法改正の拒否権も持っているのであるから,依然として強い政治的カウンター勢力だからである。

 2016 3 月には NLD 主導によるティン・チョー新大統領が選出され,実質的にはアウン・サン・ス ー・チーによる政権運営が始まった。国民の期待感だけで誕生した新政権とも言え,その実力は未知数 であるため,国内での混乱が発生することが懸念されている。それは,新政府と国軍との間での経済利権を巡る軋轢,国軍と少数民族間との軋轢,そしてビルマ族などとイスラム系民族との軋轢などが動機となることが想定されている。

 その中でも,特に国軍のクロニー(縁故企業)が持つ経済利権に対して,新政権が手を出すとすれば,クーデターといった強硬手段を国軍の一部が画策しないでもない。隣国のタイでも,しばしば軍によるクーデターがあったように,民主政権と国軍との間では,政治的対立はもとよりのこと,政府側と国軍が持つ関連企業の経済利権を巡る闘争が,クーデターの強い動機にもなりかねないのである。

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