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April 07, 2021

複雑な状況にあるタイとミャンマーの国境の町ミャワディ その1

2021126日 Frontier の記事より

 ミャワディはタイとミャンマーとの国境にあるミャンマー側の町です。アジアンハイウェイが通る国境の町として、ミャンマーの中でも開発が進んできている町です。そのミャワディには華僑系資本によって、二つの大きなカジノが建設され、毎日、多くのタイ人や中国人観光客でにぎわっています。

 そして、今、新たにミャワディから約20キロぐらい北に行ったShwe Kokko に、新しい町の建設が進んでいます。それが、Yatai New Cityと呼ばれる町で、中国系投資家が開発をしています。その町には、カジノや貿易ゲートそして高級別荘が建設される予定です。毎年10億ドルぐらいの経済効果があるとされています。

 ところが、2月1日のクーデター前に、この新しい町を巡って、国軍、カレン民族同盟(KNU)そしてカレン民族同盟と対立したグループ(民主カレン仏教軍)によって創設されたBGF(国境警備軍)との三つ巴の抗争が起こったのでした。

  ことの経緯は複雑ですが、至極簡単に記します。

まず、この新しい町の建設を牛耳っていたのはBGFでした。国軍はBGFによるこうした「怪しい町」の建設に待ったをかけたのでした。その理由は、軍人がこうした開発ビジネスに関わることは法律違反だということで、Saw Chit Thu ら BGFの三人の責任者の辞任を求めました。

 そして、昨年の12月10日に国軍は軍隊をこの建設中の町に送り、町の封鎖と、車両などを不法に購入したといった理由で押収し、さらに保安検査所などを設置しました。その上で、この建設プロジェクトを民間ベースではなく、国家プロジェクトに置くとしたのでした。

 BGFの三人の責任者は辞任すると同時に、国軍に対して対抗する意思を示しました。それは、三人の責任者を含めたBGFのメンバーが、国軍と対立するKNUと合流することはなくとも、KNUとの対立関係を解消して接近することを意味するのです。

 この状況の中で、2月1日、国軍がクーデターを起こしました。その後、各地の武装勢力は国軍に対して共闘する声明を出していますが、その中にアラカン軍(AA)、カチン独立軍(KIA)、KNUに加えて、BGFという名前が挙がっています。もともとBGFはKNUの路線に反対したグループによって結成された民主カレン仏教軍として生まれたため、国軍との関係は良かったのですが、その後、悪化していました。そして、このYatai New Cityの建設利権をめぐる争いが、国軍との対立関係を決定的にしたのかもしれません。

 いずれにせよ、ミャンマー国内の対立と闘争の構図はとても複雑です。その対立の動機は過去の民族間の対立にあるのですが、わかりやすく一言で表せば、怪しげな経済利権を巡る争いの側面も否定できないのです。

 

15 黄色い線が、タイとミャンマーの国境線 モエイ川沿いに建設中の町。

 

P1写真はirrawaddyの記事より。

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